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白米食による糖尿病発症のリスク

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白米食による糖尿病発症のリスク

下記の記事がネット上を(少しだけ)賑わしているようです。
白米を多く食べるアジア人、糖尿病リスク55%増 米研究

この研究、記事の信頼性ははっきりしませんが、生活習慣病である糖尿病をもう一度おさらいしてみます。

糖尿病の場合、その診断基準は以下のようになります。

空腹時血糖:正常型は110以下
胃が完全にカラになって10時間以上経った状態が理想。
夕食後断食して翌午前中に測定します。

食後血糖:ピーク時で140以下が好ましい
食事後60分、90分、120分にそれぞれ測定します。
140を超えてないこと、理想は126以下となっています。

HbA1c:日本で採用している方法では5.8%以下を正常とする
赤血球の殆どを占めるタイプでありますが、このうちどのくらいが糖と結びついているかを測定します。
赤血球の寿命の関係から過去1~2ヶ月の平均血糖値を導き出すことができます。
最近の糖制御状態を診るための一番の指標となっています。

血糖負荷試験
空腹時血糖を測定後、75gのブトウ糖を飲ませます。
これで血糖の変化をみますが、やはり140以下におさまっていることが好ましいとされています。

尿糖:170以上になると尿に析出する
ただし160程度では腎機能に大きな問題がないと出てこないので参考程度にとどめておくべきです。

また甲状腺機能亢進などでも血糖は上昇するので、インスリン活性などをチェックすることもあります。

さて血糖値が上昇しやすい原因ですが、現在ではその遺伝的要素が大きいと考えられています。
特に家族性、民族性の問題は無視出来るレベルではないそうで、アジア系の我々が糖代謝に問題を抱えやすいのは遺伝子レベルでインプットされている”体質”の一部であると言われています。

血糖を上げるメカニズムは幾つかあっても、血糖を下げるホルモンは一種類。
それは(多分)血糖を上げること、つまり緊急時に備えるシステムが長い間を経て体内に構築されざるを得ない状況だったということになります。
欧米人に少なくアジアンに多いこの問題。
私たちの祖先は(人種的に)エマージェンシーが生じやすい環境にあったのでしょうか?
あるいは農耕が始まることによって生じたエラーだったのか。
はたまた根本的に脱ミネラルの結果でてきた近代病なのか。

わたしが観察する限りですが人種間の相違が大きな影響力を持っているように思います。
欧米人の身体を見るとよくも悪くも効率が低く、そのぶん外的要因に左右される確率が低いようです。
ただし最近の、とくにアメリカにおける食生活は劣悪といっても良い状況なので、いかなアングロサクソン系の丈夫な体でもそうそう安定していられるものではなさそうです。

対してアジア系、とくに日本人はその効率においては世界トップクラスのような気がします。
勿論世界中の人種をつぶさに観察したわけではないので妄想に近い説かもしれませんが、日米のクライアントを触って比較した限りではそのように感じることが多いわけです。
効率が良いというのは冗長性が少ないとも言えるわけで、管理体制如何によっては損傷の確率が上がるということになります。

最近日本の食生活や生活状況はアメリカのそれに近くなってきており、ジャンクフードあるいは外食の割合がジリジリ上がってきているのは事実です。
リン含有率が高いものが多いのでカルシウムが押し出され、ショートニングを始めとしたトランス型不飽和脂肪酸は必要な炎症反応を阻害します。
この阻害された反応は反動としてより大きな炎症反応を惹起すると考えている研究者もいて、生体の健全性を損なう要因として注目されています。
特に血管系の反応は上記の脱灰や不安定な炎症制御に影響を受けます。

血管内部の状態が好ましくない時、内分泌系による制御も安定性を欠く傾向が有るようです。
つまり血糖値に関しても予断を許さない状態が続きやすいわけです。

たった一つの状態がシステムの健全性を損なうわけではないにしろ、これは生活習慣病としての糖尿病を考える上で重要な要素として数えることができるでしょう。

治良は糖尿病そのものを治癒させることはできませんが、その背景にあるシステム不全を標準医療とは違う立場で改善しうるものであると考えます。
制御系を健全に機能させうる環境を構築するための手段としてこれからも治良の研究を進めてゆくつもりです。

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