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マクロビオティック 3

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マクロビオティック 3

一般的な誤解に「マクロビオティックってあの玄米を食べるやつ?」というものがある、らしいのです。
陰陽のダイナミックなせめぎ合いの中で、その目的にあった状態へ(主として)食べ物の性質を利用して誘導する。
これがマクロビオティックの真骨頂であり、醍醐味であると私は考えています。

陽が必要なときは陽を、陰であるべきとには陰性を積極的に摂ることによってカラダとココロをそこへ持って行くことができます。

ただし注意が必要なのは「陰と陽はどちらも同等であり、良いとか悪いとかの評価をつけることができない」と言うことです。
陰陽は事象の性質を言葉で表したものですから、事象そのものに本来人為的な偏向がないように、陰陽にも善悪の評価は不必要なのです。
ただ私たちがこの世で生きていく上で、その都度どちらかがより必要となる、というだけです。
陽が正しく陰が間違い、ではないので言葉のイメージに惑わされないようにしてください。

陰と陽があるなら当然「中庸」というのも存在します。
バランス的はもちろん中庸がもっとも好ましいと言うことになりますが、私たちをとりまく環境や生物としてのメカニズムは、いつもそこにとどまるようにしてくれるとは限りません。

エントロピーの法則は私たちのカラダが産まれた瞬間から死に向かうことを示唆しています。
もっとも新陳代謝の激しい乳幼児期から徐々にその効率を減じていき、同時にロバスト性というバッファーを作ります。
このカラダの“ごまかし”が増え続け、最終的にはそれ故の伝達効率の低下によって生を閉じます。

これを陰陽に当てはめて考えると「もっとも陽で生まれ、陰極まって終わる」となります。

つまり私たちのカラダは放っておくとどんどん陰性に傾く傾向があるのです。
そこで桜沢や桜沢の薫陶を受けた指導者たちは、徹底的に陽性に誘導する方針を打ち立てたようです。
当時の食糧事情や社会情勢を考えると、この「極陽性」への誘導もそれほど間違ってはいないと私も思います。

では現在日本の中ではこの方向性はいかなるものなのでしょうか。

食事においては陽も陰も豊富すぎるくらいに摂取可能で、自律神経系の働きはたやすく限界点を突破する傾向にあります。
交感神経系は戦後すぐを除く時期よりも遙かに多くの仕事を強いられています。
副交感神経系もこれに引っ張られる形で常にオーバーワーク気味になっているようです。
高位中枢である視床下部や視床、大脳基底核の周辺もまたしかりです。

このような状態に最初から置かれている我々が、簡単に玄米菜食一辺倒にスイッチするのは容易なことではありません。
また、陽性にするにしても処理に手間のかかる動物性タンパク質などを大量にとり続けると、今度はその弊害が現れやすくなります。
また仮に中庸の食事を続けていても、環境の変化に合わせてコントロールするのは経験的にも難しい。

ところで脂肪には脂肪酸とグリセリンが含まれていますが、グリセリンは甘みによる満足感を、脂肪酸はこれがないと脳が満足しにくいという性質があります。
マクロビオティックにおいて、そして現代風の食事にならされている我々にとって、この脂肪酸の制限というのが実は一番やっかいだったりします。

大抵のケースで「もうこだわらない!」と宣言してマクロビオティックをやめて(猛然と)普通の食事に戻っていきます。
それは基本的に脂肪摂取に我慢を強いるところ、そしてそれを続けないと「病気になる」という思い込みによるストレスが爆発するからだと私は考えています。

またこれは人によりますが、食卓の華やかさや彩りという点で、やや地味になりやすい傾向があります。
そんなことはない!という人もいますが、要はいつも健康のために食べているという意識が窮屈になってしまうのです。
たぶんこれは私だけではなく、多くのマクロビオティック実行者が感じていることではないかと思います。

本来的に意義に立ち返って「人間らしく生きるために健康である必要があり、それを実現するために食をコントロールする」をもう一度考えてみる必要が(私にも)あるのかも知れません。

次回からはもう少し具体的な養生方について書いてみます。

マクロビオティック 4

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