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前頭骨

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前頭骨

前額部、つまり額から頭頂手前くらいまでの部分の骨で、発生学的は骨と言うよりも膜に分類されます。
上(というか後ろ)で頭頂骨、横に蝶形骨、下で頬骨と鼻骨、そして涙骨。
内部で篩骨と接しています。

比較的動きのわかりやすいパーツですが、修正は容易ではありません。
まず骨自体が非常に硬く、たわみを利用したアジャストメントが難しいことが挙げられます。
骨が柔らかいと、動きに合わせて撓りますので、これを利用することが比較的簡単にできます。
しかし前頭骨の場合、内容物(この場合主に前頭葉)保護のためなのでしょうか、非常に厚く硬いものになっています。
ちなみに相撲ではこの前頭部の一番硬い部分、頭頂部から下がってきて出っ張っているように感じるところで「ぶちかます」らしいのです(ソース:「ああ播磨灘」(笑))。

成人した場合、この部分の外傷による問題はあまり多くありませんが、幼児期もしくは出産後間もない乳児期などでは、まれにこの部分が後方変位して固着していることもあります。
産道を通って出生する場合、子供は最後のところで少しあごを上げるような動きをしますが、この動きが大きすぎると後頭環椎顆の関係に齟齬が生じやすくなります。
第一頚椎に比して後頭骨が少し前側に固定されているような位置関係を作ってしまうことがあるのです。
正確には下側が前に、上は後方へ移動する位置なのですが、このとき小脳テントから大脳鎌を通じて前頭骨付着部と篩骨篩板を後方へ引くような力が発生します。
これが解消されないままだと、前頭骨頭頂骨蝶形骨に食い込むようにロックされ、静脈洞にまで影響を与えやすくなります。
結果、脳脊髄液の循環にも好ましくないサイクルを作りやすく、神経系はあるべき代謝活動を制限される(かの)ようになります。

もう一つ、これは原因と言うよりも結果的にそうなりやすいのですが、硬膜によって機械的に連結されている尾骨の状態に影響を受けることにより、思考力に影響が出るケースがあります。
曰く頭がぼーっとしたり、ひどいケースでは思考や言葉がままならない、まるで脳の血管障害のような症状まで出ることがあります。
尾骨は仙骨から出た脊髄硬膜が骨膜と一体化している骨であり、ここが可動性を失った状態で固定されていると、縦方向の硬膜組織である大脳鎌が影響を受けるというのは比較的容易に想像が付きます。

クレニアルに限らず、単一パーツの可動制限がもたらす問題というのは案外少なく、前頭骨においてもそれは例外ではありません。
ですから今挙げたような症状が必ず前頭骨の矯正を必要とするとは限りません。

よく調べて慎重に処理する。
この原則は常に守られるべきであると私は考えます。

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