頬骨
頬骨について
最近某歌舞伎役者が殴られ頬骨の陥没骨折をはじめとする怪我を負ったという報道がなされました。
このこと自体に言及するつもりはありません。
しかしこの“頬骨骨折”というのは意外と侮れない影響を及ぼすのです。
頬骨は目の下にあって、前頭骨、側頭骨、上顎骨、蝶形骨などと接する、小さな骨です。
以前頭蓋骨も動いている(と私たちには感じられる)ことは書きました。
後頭骨、頭頂骨、蝶形骨、側頭骨、そして顎関節などは、特に訓練を積んでいなくても早いときは数分でその動きを感じ取ることが可能です。
しかし頬骨は脳脊髄液の増減、つまり硬膜の動きと直接関わっていないため、上記の部分に比べて大きな動きを感じることが難しいかもしれません。
しかしその働きは小さいわけではなく、むしろここが歯科領域の問題、骨洞炎、外傷などによってそのリンク機能を損なうと、接している部分の可動制限がおこり、頭蓋全体の変動適応性に強い影響を及ぼします。
特に事故などで頚椎と頭蓋のリンク部分に負荷が出ている人たちにとってこの問題は、通常の検査ではまったく検出できない、そして自然治癒が困難な症状を抱える背景になります。
経験上多い症状としてはめまい、耳鳴りなどの耳鼻咽喉症状、小脳の問題と見間違うような運動障害、呼吸の不自由さを伴う胸部痛などが挙げられます。
通常の処置で改善がみられない問題は、案外頬骨に鍵があるかも知れません。