クレアチニン
クレアチニン
実は年末に20数年ぶり(!)に血液検査を受けてきました。
風邪から来る一時的な脂質代謝問題はあったものの、再検査の結果は問題なしでほっとしております。
さて数十年ぶりの血液検査でHbA1cと並んで見慣れない項目がいくつかありました。
その一つがクレアチニンで、調べてみると腎機能の指標として考えられているようです。
筋肉が無酸素下でエネルギーを消費するとき、内部にあるクレアチンリン酸とアデノシン二リン酸(ADP)を反応させてアデノシン三リン酸(ATP)を作り出すわけです。
PhCr + ADP → Cr + ATP
このときリン酸を切り離したクレアチンはほとんどが不要物として腎臓から尿へと捨てられます。
この代謝産物がクレアチニンとなります。
ところが腎機能が低下してくるとこのクレアチニンを濾しとることが難しくなり、結果として血中に高濃度で残ることになります。
おおまかに男性で0.6~1.1、女性で0.4~0.9程度が正常値と言われています。
ただし2つの点に留意する必要があります。
一つ目は筋肉で多くが消費される以上、筋肉量の多い人ほどその数値が上がりやすくなります。
また、何らかの原因で筋組織が壊れるときも数値の上昇があると言われています。
もう一つは腎機能は結構な予備能があり、大体7割~5割程度にまで機能低下が進まないとクレアチニンが上昇して来ません。
つまり正常範囲であるからといって油断はできないということです。
正確に腎機能を評価するためにはクレアチニンクリアランスを調べる必要があるようです。
これは尿中のクレアチニンとあわせてチェックする方法で、尿中と血中のクレアチニン、そして尿量などで導かれる数字が一定割合の中にあるかどうかを調べます。
血中濃度が高くてもそれに見合うだけの量が尿中にも捨てられていれば、そして尿量が十分ならばクレアチニン使用量が多いからそうなったと考え、腎機能の問題とは決めつけないとのこと。
腎臓の機能は一生正常範囲に収まっている必要があり、しかしその労働環境は過酷です。
高尿酸、高血糖、高コレステロールが存在するとき、肝臓のみならず腎機能や全身の血管系がいじめられていると見るべきで、適切な養生が必要になります。
適切な運動、ストレスのコントロール、そして的確な食養生。
ややこしいことになる前に(勿論私もですが)心がけたいものです。