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瞳孔

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瞳孔

私たち医業類似行為を行うものは、その資格上しても良いことが限られています。
注射や手術はもちろんのこと、投薬、診断などもしてはいけませんし、その他の行為に関しても厳しい制限が課せられています。

技術も知識も経験も無いのですから、侵襲的、観血的な方法が採れないのは当然といえば当然です。

とはいうものの、クライアントの持つ問題を可能な限り解決したいと考えるのは同じで、しても良いことの中で最大限に原因を探ろうという工夫は怠りません。
その中でとても役に立つ方法論として、自律神経系の状態を探るということがあります。

いくつかやり方を(例によって自分の勉強のために)書いてみます。

私たちのアプローチがもっとも必要とされるケースは、病理問題では無く機能的な調整を必要とする場合であるといえます。
カイロプラクティックでいうところの「神経のトーンを整える」必要がある状態などは、その最たるもでしょう。

このアプローチの利点を最大限に生かす、つまりもっとも良い「調整」を行うための前段階として、クライアントの自律神経系がどのような状態にあるのかを知ることはとても大切なことであると私は考えます。

自律神経の稼働状態を知る方法はいくつかありますが、確実な方法として「眼」の観察があります。

眼はいくつかの脳神経に支配を受けています。

上から、視神経、動眼神経、滑車神経、三叉神経、外転神経、顔面神経、迷走神経です。

視神経は網膜に接続されていて、網膜上の化学的な変化を電気信号として視覚野へ送る働きをしています。

動眼神経、滑車神経、外転神経は眼球の運動や瞳孔反射などを受け持ちます。

三叉神経、顔面神経は眼の知覚や周囲の筋肉の運動を、迷走神経は副交感神経系として間接的に関与しています。

この中で動眼神経が関わる問題は、対光反射や輻輳反射を含め、自律神経系の反応ときわめて密接にリンクしています。

まずはここをみていきましょう。

動眼神経は脳幹の一部である中脳という部分に神経核を持っています。
ちなみにこの神経核をEdinger Westphal核といいます。
中脳は隣接する橋と神経核の一部を共有していて、橋は自律神経系の高位中枢でもあります。

すなわち動眼神経系の反応は自律神経の反応をある程度うかがい知ることができる「窓」であるというわけです。

最初に瞳孔反射。
注:以下に書くことは病理問題、あるいは血管障害などの緊急性のある問題が無いという前提で、かつ基本的に自律神経系の機能問題に焦点をあてて書いていますのそのつもりでお読みください。

瞳孔は光量を絞る機構=虹彩という部分の中心にある孔で、虹彩は瞳孔括約筋(副交感神経支配)と瞳孔散大筋(交感神経支配)によって、瞳孔の大きさを変えます。

また脳幹という生物の生命を維持するシステムの中心は、もっとも最後までその機能が残り、逆に言うとここが機能停止すると生命も停止したことになります。

ですから医師は生命兆候を確認するのにペンライトなどで瞳孔反射を調べたりするのです。

話を戻します。

まずクライアントの両眼を確認します。

瞳孔の大きさに左右差はあるでしょうか。

左右差がある場合は片側の交感神経/副交感神経が亢進ないしは機能低下を起こしています。

左右差が無くても開ききっていたり、逆に極端にすぼまっていませんか?
開ききっている場合は交感神経の亢進、副交感神経の機能低下が疑われます。
極端にすぼまっている場合はその逆パターンです。

さて、今度は片眼ずつチェックします。

まず(眼がびっくりしない程度の光量の)ペンライトなどで光を当ててみてください。

(通常)瞳孔がすぼまります。
これを瞳孔の対光反射といいます。

この反応が極端に強かったりあるいは弱かったり遅延があったりしたら、やはり片側もしくは両側の交感/副交感神経の働きに問題があるとみるべきでしょう。

対光反射は視神経障害でも失われますが、その場合はもう片方に光を当てると障害側の反応(間接対光反射といいます)が起きます。

これに対して動眼神経損傷では直接、間接ともに対光反射が失われます。

これらの兆候が検出されたとき、もちろん自律神経系以外の問題の存在も頭に入れておく必要があります。
しかし、他の検査と組み合わせることによって、その範囲はだんだんと絞られてきます。

当面神経系の検査について書いてみようと思っています。

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