活性酸素について6
活性酸素について6
・ヒドロキシラジカル
体内におけるもっとも強力な活性酸素。
これを除去する酵素を人間は持っていません。
ただしきわめて短時間で消滅します。
また、抗酸化作用をもったビタミンE、ベータカロチン、尿酸、グルタチオンなどがヒドロキシラジカルと反応してくれます。
特にグルタチオンは細胞膜の脂肪酸を安定的に保護してくれているペプチドで、必須アミノ酸のシステインを含むきわめて強力な抗酸化剤です。
因みにメチオニンの中間生成物であるホモシステインは、血管のコラーゲンを過剰に合成して硬化の原因になると言われています。
そしてビタミンB群によってシステインに転換されます。
また、細胞膜の酸化を連続的に起こす過酸化現象もこのヒドロキシラジカルが関係しています。
このほかにもいくつかあるのですが、あとひとつだけ、一酸化窒素についてを書いておきます。
一酸化窒素はアルギニンというアミノ酸と酸素から合成されます。
実は一散窒素は最近になって重要な役割があることがわかってきました。
一酸化窒素は血管の内皮にこれに対するセンサーがあります。
血管内でこれが増えると平滑筋の緊張が低下して、血流が増えるという現象が起きます。
心筋梗塞の時に飲む拡張剤ニトログリセリンはこの原理を応用しています。
また、心臓などの手術後にこの一酸化窒素をプラスしておかないと術後の経過に大きな影響を与えることもわかってきました。
しかし同時に活性酸素とも反応しやすく、ヒドロキシラジカルに変化しやすい物質を作るという一面ももっています。
各種ビタミンやCoQ10などの抗酸化作用物質を補給することは、一酸化窒素の負の側面を緩和する重要な手段となります。
少し長くなりましたが、活性酸素についてご理解いただければ幸いです。