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尿酸

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尿酸

高尿酸、高脂血症、高血糖。
これが揃うといわゆる動脈硬化になるリスクが急上昇します。
血中脂質や血糖というのは字面からも割合イメージしやすいのですが、尿酸に関してはあまりご存じない方もおられるようです。

人体の中では絶えずタンパク質を始めとした、生命維持に欠かせない物質の代謝が行われています。
代謝というは私達の身体に有利なように組み替えたり分解したりする作用のことで、いろいろな物質を体になじむようにあれこれしている、と言い換えることも出来ます。

特に肝臓はそれを常時行なっていて、身体の化学工場とも呼ばれます。
タンパク質を代謝するに当たり、肝臓は手っ取り早くアンモニアを作りますが、当然これは有害でそのまま血中に放出するわけには行きません。
通常は尿素という、おしっこのもとにして腎臓に送り、ここで水分やタンパク質などを再吸収してた以外に排出します。

しかしプリン体と呼ばれるものは、この最終代謝物として尿酸を生み出します。
人間はこの尿酸を処理する酵素を遺伝的に持っていませんので、この形で血中に存在し体外に排出されます。
人間にはアスコルビン酸(ビタミンC)を作る酵素もありませんが、尿酸はこれよりもはるかに強烈な抗酸化作用を示します。
血管系にはやや不利でも、人間がこのサイズ(身体のサイズが大きいほど必ずしもではないが長寿になる傾向がある)で100年近く生きていられるのは、この尿酸があるからだと言われています。

では血管系に関してどのように不利に働くのでしょうか。

尿酸が血管中にあるとその化学的性質からナトリウム類と手を結ぼうとします。
この2つがくっつくと針のような結晶になります。
これが無数にあると血管系、特に入り組んで細い腎臓の血管や尿細管は大ダメージを負います。
もちろん修復も起きますが、頻繁にしかも大量にこの結晶にさらされるといずれ回復不能な状態になってゆきます。

また重力によって血液の流れが悪くかつその底辺周辺にある下肢の親指の付け根にこの結晶がたまりやすく、骨膜に刺さって炎症をおこすものが痛風発作のもととなる、ひどい痛みを伴う結節を作ります。

因みに正常範囲と呼ばれる数値は
男性:8.0以下
女性:7.0以下
となっていて、痛風という病気は圧倒的に中年以降の男性に多いとされています。

いっときは「美食病」とも呼ばれ、おいしい物をたくさん食べる人に多いと考えられていましたが、遺伝的な要素も大きいことがわかってきていて、食事療法だけではいかんともしがたいと言われるようになりました。
しかし運動時発生しやすくなるラディカル類が引き起こす酸化作用に対して、還元的に作用すると考えられており、定期的かつ30分以上連続する運動をすることによって血管内の総量を減らすことができると言われています。

最近の研究ではビタミンCが血中に多いと、肝臓で代謝率が変わって尿酸の産生が落ちるという人も出ています。
またビタミンAがあると合成が促進されるタンパク質の一部と積極的に結びつく性質もあり(伝聞ですが)、喫煙習慣がなければベータカロチンの摂取によってできるビタミンAが安定の一助になるかもしれません。

もちろんビタミン摂取に関しても注意が必要なのは言うまでもなく、大量摂取に関しては様々なリスクもあることを忘れるべきではありません。

あとはストレスにも反応しやすいらしく、イライラが多い、あるいはそれを我慢するくせのある人は少し注意が必要みたいです。

治良に際しては中医学で言うところの「木」つまり肝胆嚢経と呼ばれる代謝システムがどのような状態になっているのかを調べる必要があります。
これが突出して強いのか、或いはこれを抑制している経の反応が弱いからなのか。
逆に肝胆嚢経が体質的に弱く、それ故起きているものなのか。

これらのことを調べた上で治良方針を考えることが大切であると私は考えています。

2012.04.05 追記

高尿酸血症に第3タイプ=小腸での排せつ機能低下-東京薬科大など

上記のリンク先の記事にあるようにどうやら尿酸の排泄にはまだ秘密が有りそうですね。

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