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Case-10

Case-10

とあるやりとりから転載しているので語尾がですます調ではありません。

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女性 歯科治療後の違和感、痛みを訴え来院。

神経系への物理的な侵襲、傷害はなく(歯科にて確認済み)、痛みは心理的なものに起因すると言われる。
痛みは常にあり、日常耐えがたいレベルであるようだった。

結論から書くと「ほとんど支障が無い状態」にまで回復している。
その経緯は以下のようなものだ。

当該部位(右下顎)周辺の血行障害とおぼしき筋力検査の反応があり、どうやらこれが三叉神経第三枝に過敏性を誘発しているものと、おおざっぱにだが推測できた。

さて問題は「なぜそのような状態になっていたのか」と言うことである。

三叉神経出口を含め、狭窄といえるほどの障害は確認できず。
ただし下顎骨そのものの耐衝撃性低下が認められた。
骨という構造物は衝撃を加えられるとエネルギーを振動に変換して”いなす”といわれている。
これはその内部に含有されるタンパク量に比例するともきく。
またそのバルク=実質は、金属のように事実上の可動性がないものではなく、格子状の構造が空洞を作るように組み合わさっている。
つまりは意外と”すかすか”なのである。
このすかすか具合が血管運動には重要で、ごく短期間の問題を除くと様々な循環システムは、ほんの少し周囲が“硬く”なっただけで問題を生じうる可能性をもっている。

今までそこに存在しなかったものが入り込むことによって、物理的な(しかし画像などで確認できない程度の)圧縮が、骨という構造物に発生してしまうことが考えられるわけである。
その”しわ寄せ現象”が骨、並びにその構造中にある微少血管に影響し、血行が恒常的に阻害され、神経繊維における酸欠を招いているというのが、今回の推論の主旨である。

神経の周囲を走る毛細血管と呼ばれる細い血管群は、元々その径が赤血球の直径よりも小さなものが多い。
赤血球は変形しながらその中を通り、酸素を組織へと運ぶ。
個人差はもちろんあるが、骨のわずかな圧縮=柔軟性の低下がやはりわずかにだが血管の柔軟性を低下させ、それがたまたま弱い部分でかつ神経系へ酸素供給に重要な位置づけのものだとすると、今回の問題は想像しやすい。

耐えがたい、しかし激烈とも言いがたい痛みであることから、おそらくはポリモーダル受容器群からなるC繊維に入力された侵害刺激として処理されているようだ。
非炎症性でも低酸素でここは活性化し、物理的刺激が無くとも痛みが感じられる。

これに対して治良は

・骨そのものの柔軟性を回復させるため、下顎骨全体に負荷が分散し、かつ無理の無い状態に復帰させるため、周辺筋膜へのアプローチ

を行った。

3回ほど治良を行った結果、現状ではほぼ問題の無い状態に復帰した。
ほぼ、というのはまだ少しだけ解消し得ない「しわ」が残っているからだ。
ただしこれはすぐさま解消してよいものでは無く、身体側の受け入れ体勢が整ってからにすべしと各種検査が告げていた。
これがいつになるのかはまだ不明である。


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