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薬物による鎮痛について

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薬物について

薬物の効果のほとんどは「体の反応を邪魔あるいはごまかす、または加速させる」と言うことで得られます。
たとえば抗炎症剤であるステロイド剤は、炎症反応に必要なアラキドン酸という脂肪酸を細胞膜から引き抜く酵素をブロックすることで効果を表すと考えられています。
またコンビニ弁当などによく使われるソルビン酸カリウムという物質は、細菌の本当の食べ物である乳酸とよく似ているため、細菌が間違って取り込んだ結果、繁殖が抑えられる静菌効果を発揮します。

このように生化学的な反応の主役であるタンパク質やペプチドに結合すること、もしくは細胞に対する毒性によって狙った方向へ誘導するのが薬の役目と考えて(おおむね)良さそうです。

今回の記事にあった大麻ですが、主要成分であるカンナビノイドは、多幸感などを引き起こす脳内物質アナンダミドに類似した物質で、摂取するとアナンダミドがたくさん出たような状態になります。
つまりカラダがだまされているわけですが、体の中のやりとりというのはよく言えば幅があり、悪く言えば意外といい加減であるとも言えます。

このような幅のあるあるいは弾力性のある反応をする性質を冗長(ロバスト)性があると言います。
子供はあらゆる意味でストレートですが、理由のひとつとして単純に体が小さいため、冗長性を確保できないことが考えられます。
大人になるに従っていろいろ余計な(脂肪とか)ものを身につけますが、これが実は緩衝材として働き、体に対応する時間的、化学的余裕を与える背景になっています。

話を戻します。
上記のように体をだますことによって得られた効果は、薬理物質が代謝されると同時に消えます。
しかし薬に促されて始まった生理作用は、薬理物質がなくなっても維持あるいは加速されて体の状態を正常な方へと導きます。
化学物質は本来こうあるべきなのでしょうし、治良もかくありたいものです。
逆に直接作用が強いが故に、的を外したみたては体への負担ともなり得ます。

治良も鎮痛効果を持つと私は考えていますが、そのメカニズムは想像するしかありません。
ある種のリラクゼーション効果がその正体ではないかと考えておりますが、ではそのリラクゼーション効果がなぜ起こるのかはこれからの研究課題のひとつです。


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