線維筋痛症
線維筋痛症
不勉強にして知りませんでしたが、現在の日本にでは約200万人の方がこの問題で苦しんでおられるとか。
この前勉強会で専門家の講義がありました。
発症メカニズムとして現在最も有力であろうと考えられているのが、疼痛抑制システムの一部が機能低下を起こすことではないか、と言うことでした。
どうやらその中でセロトニンという物質の関与が強く疑われているようです。
セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からできる代謝物で、脳全体の賦活に関係している、らしいです(勉強中なので)。
セロトニンは放出されたあと再回収されますが、この働きを阻害し、脳内のセロトニン量を増やしておいて脳の活性化を助けようとする薬剤もあります。
また疼痛抑制にも関係していて、セロトニンが不足することでそれほどでもない刺激を疼痛として拾ってしまう確率が上がります。
このわけのわからない、場合によっては日常生活に重大な支障を来す疾患の特徴としては、
・広範囲、かつ長期にわたる痛みがある
・顕著な炎症反応を示す所見がない
などがあります。
また発症の一因あるいは背景問題として
・慢性疲労性症候群
・反射性交感神経性ジストロフィー
などが挙げられ、脊椎関節炎の合併も高確率でみられるとのこと。
診断は専門医が下すべきであれこれいうのはどうかと思うのですが、(あくまで私見として)治良屋としてよく目にする問題とかぶるところが大きいような気がします。
いわゆる炎症を呈している問題、あるいは病理変性などの場合は、原則的に医師にゆだねるべきであると私は考えます。
炎症などは大多数のケースで薬物投与のほうが即効性、鎮静作用ともに優れているからです。
また病理の問題に関しても原則として私たちが治良するよりも、わかっている範囲に関しては医学的な処置をするべきだろうと考えます。
一度組織や免疫システムがこうした状況になったときは、そのメカニズムや経過がはっきりしているものに関して医学はたくさんの知見を蓄えているので、さっさとみてもらった方が良いというわけです。
ですが炎症や変性がない、しかもどうやら痛みの根源が脳という未知の部分が多い臓器の機能的側面の障害によるものである可能性が高い、となるとどうも現代医学も少し分が良くないようでもあります。
もちろん私たちが全てを解決できるなどということではありませんが、日常こういった「よくわからない」問題は多々あるわけです。
治良が効く理由。
たまたま良くなって行くだけなのか。
それとも明確な、再現性のある理由があり、(私が思うに)電気的な特性を介して回復のきっかけを与えうるものなのか。
どうやらこの線維筋痛症という問題の勉強を通して、その理由の一端がつかめそうな気がしてきました。