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天高く馬肥ゆる秋

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天高く馬肥ゆる秋 2011/09/08

個人的なことであれですが、私はこの季節が一番好きです。
函館以外ではまだ暑いところが多いようですが、湿度が低く、気温もそれほど上がらず、それでいて晴天も多い。
気分的には最も気持ちの良い日が多いと感じています。

ではこの時期、私達の体にはどのような動きが起こっているのでしょうか。

人体の70%前後は水である、というのはご存じだと思います。
この水は熱を取り込みづらく、いったん取り込んだ熱は逃がしにくいという性質があります。
比熱容量が大きい、と言います。
少し言い方を換えると、水が大半を占める体は、周囲の温度変化に対してワンテンポもつーテンポも遅れてその熱量を変化させる、と言うことになります。
冬の間は夏から秋にかけての熱を中盤くらいまで保持し、終わりから春にかけて冷えが本格化します。
春先、内部が冷えたまま外部温度が上がってくると、エネルギーを使って熱量を上げようとします。
この際、交感神経系が優位に立ち、少し過敏な状態になりやすくなります。
木の芽時に神経系が制御しづらくなることがありますが、その背景にはこうした過緊張状態があるものと考えられています。

逆に夏の間の熱量は秋を過ぎてもそう簡単に抜けきらず、内部が暑く、外部は冷えて引き締まってきます。
この状態は春と違ってできるだけ熱を外へ出そうとします。
眠くなる(副交感神経が交感神経を凌駕し始める)と、体が温まるような感覚がありますが、あれと同じような状態になります。
その結果、副交感神経系が優位に立ち、消化器系をはじめとしたエネルギー回収システムが活発になりやすくなります。
夏の間に消耗したエネルギー(夏やせ)を取り戻すように、消化や代謝がその効率を上げ始めます。
あ、ちなみに私は夏でも体重は変わりません(笑)。

また当然のように、エネルギー蓄積を行おうとして脂質の代謝や皮下脂肪の増加が起こります。
寒い季節に備えての、これはごく自然なリアクションであるわけです。
冬眠前にたくさんの食料を必要とする動物たちと、私たちは基本的に同じ反応をするのです。

またこの季節は体に熱が残っているために、まだ冷たいものをほしがる傾向があります。
しかし冬に向けてエネルギーの収支を若干プラス側に持って行かないといけない時期でもあり、そこのところを考えてからだ(正確には自分の欲求)の要求を聞き入れる必要があります。
昔ならいざ知らず、現代のように冷暖房完備のところが増えていると、内部の自律的反応はそれほど即時即応体制をとれなくなってきます。
そのあたりも十分考慮する必要があるのかな、とワタシ自身も考えています。

こうやって私たちはその内部環境を変動に併せて調整しつつ、“不安定の中の安定”を実現しようとがんばっています。

がんばりすぎて心と離れすぎると体は簡単に反乱を起こし、するべきことを見誤って現状を維持しすぎようとしてもやはり混乱を招く。
体の言うことを正確に聞くと言うことがいかに難しいか。
体温一つとっても十分にコントロールが効きづらくなっている現状を見ると、もう少し本質的な人体観の必要性を強く感じています。

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