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今年の風邪

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今年の風邪(2011年末)

毎年この時期は治良屋にとっては好ましい時期ではありません。
なんといっても”万病の元”である風邪が流行しやすくなるからです。
通常の風邪はもとより、甘く見ているとエライことになるインフルエンザ。
そして胃腸炎を引き起こすノロやロタウィルスによるもの。

これらに罹患するということは勿論その時点でシステム全体に問題が出ているわけですが、急性期が過ぎて回復していると思われる時期に面倒な状態に移行することも少なくありません。
経験上ですが、罹患して鼻水や熱が思い切り出ているときは(油断は大敵ですが)体力があり、問題に対して抵抗している状態であることも多いのです。

が、その後熱も下がり各種症状も落ち着きつつあるときが最も厄介と言うか大切な期間なのです。

免疫系を始めとして、各種防御システムは外部からの侵入者に対して猛然とその横暴さに抵抗します。
リンパ球は言うに及ばず、サイトカインを始めとした局所レベルでの反応も通常とは桁違いに忙しくなります。
そしてそれらは通常の安定した状態とは違い、ある種の興奮状態なので、それに伴う消耗も頭で想像するよりもはるかに激しいものとなっています。

消耗という状態を生理的に見てみると

・交感神経系が長時間の興奮によって疲弊し、反応性が鈍くなっている
これは疲弊から回復するまでは緊急状態が生じても反応ができない、或いは反応が遅れることを示しています。
緊急というほどではなくても、寒暖差に対して少しだけ皮膚反応が遅延したりします。
一回ならなんとなるでしょうが、半日もこの状態にさらされると、熱循環に大きな問題を抱えることになるでしょう。
また、この状態で例えば仕事で緊張を強いられたとき、それを維持するためにいつもより多くのエネルギーを使うことになります。
エネルギーが不足しているところに持ってきて、組織や臓器がその緊張に耐えられる状態であるかどうか、よく観察してみる必要があります。

エネルギー代謝、ATPを作るために必要な補酵素の合成はコレステロール合成が健全に行われていないと十分に働きません。
肝機能がもし疲労のために低下していると、これらの問題が心肺機能にも影響を及ぼします。

なにより免疫系はその活躍後の後始末に大忙しで、新たな侵入者に対してどうしてもリアクションが鈍くなりがちです。
様々な系の協力により成り立っているシステム(これは免疫系に限りませんが)ですが、その余波は体中すべての応答性を低下させていると見ていいでしょう。

ちょっとした風邪でもこんなにリスクがありますが、今シーズンの風邪は殊の外たちが悪く、ともかく長引き、そして重症化しやすいようです。
熱が下がらないなどの症状も困りものですが、そのうち食べられなくなったり睡眠障害という形で現れてくるケースが後を絶ちません。

風邪を引きそうだな、と思ったらまず喉や鼻のうがい
栄養補給と早寝。
絶対に甘く見ないことと、早め早めの対処で乗り切りましょう。

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